市場規模「14兆円」のホームドア関連銘柄について
どうも!たつのすけです!
この時期になると、上司や先輩達にベロベロになるまで飲まされる新入社員の姿を良く見かけますね(笑)
楽しく飲んでいる内は良いのですが、駅のホームでフラフラと歩いている姿を見ると、いつもヒヤっとします…。
ちなみに、毎年何件人身事故が起きているかご存知ですか?
なんと平均1,200件です!
その内、約550人がお亡くなりになっています…。
自ら命を落とした人が殆どだと聞きますが、目の不自由な方や泥酔して足元がおぼつかない人が誤って落ちてしまい、結果帰らぬ人となってしまった人もいます。
そういった悲しい事故を止めるのが、転落防止用の柵であるホームドア
ホームドアを設置したことで人身事故がピタっと止んだという話もあります。
今回はホームドアが今後どうなっていくのか、その経済効果と注目の関連銘柄についてまとめていきたいと思います。
ホームドアで人命を守りつつ年間被害額を激減できる
ホームドアとは、駅ホームから人が誤って線路上に転落しないために設置された、自動で開閉する柵(ドア)のことをいいます。
最初は「誤って落ちてしまう人を減らす事は出来ても、自ら命を落とそうとしている人には効果はないのでは?」という心配もありましたが、実際には毎年70件近くあった人身事故が0件に変ったという成果も出ています。
しかし設置に掛かる費用が非常に高額であることと、ホームの設計上設置が難しい駅があったりと、全駅にホームドアを設置するのは中々厳しい状態でした。
最近では設置場所を選ばずコストも大幅に削減できるスマートホームドアが開発されたことで各駅のホームドア化が一気に加速。
今では692駅にホームドアが設置されています。
ホームドアの経済効果と現状
人身事故による被害額
人身事故によって電車が止まってしまった時の被害額が、いったいどれ程の額になるかご存知でしょうか。
基本的に人身事故が起こった場合、運転が再開するまで約1時間程掛かります。
その際乗客分7500万円、鉄道会社1億600万円の損失が発生するため、一度の人身事故で発生する被害額は1億8,100万円にも上ります。
年間約550人が人身事故によって命を落とされているのですが、これを被害額にすると
「995億5,000万円」の損失が毎年発生していることになります。
ホームドアを設置することは「人命を守る」だけでなく、「巨額な損失を無くす」ことへと繋がるのです。
2020年の東京オリンピックに向けて
JR東日本は、2032年末までに東京駅から約50キロ圏の主要路線全330駅にホームドアを設置すると発表。
2020年には東京オリンピックが開催されるため、空港からオリンピック会場までの中継駅は優先的にホームドアを設置していくとのことでした。
その際に掛かる費用は総額5000億円と、非常に高額ではありますが、東京オリンピックで世界各国から大変多くの人が集まる事を考えれば致し方ないことでしょう。
世界的ビッグイベントが開催されるなら尚の事、安全安定の輸送が可能なホームドアを設置しない訳にはいきません。
ホームドアの市場規模
国土交通省は、交通政策基本計画において2020年度までに「ホームドア設置駅を800駅にする」という目標が設定されていますが、現時点では既に692駅が設置完了。
残り108駅となりました。
新たに路線を開通する鉄道はホームドアの設置が義務付けられているほか、大阪メトロも3年以内に全133駅にホームドアを設置すると発表していることから、ゆくゆくは日本全国の駅にホームドアが設置されると考えられます。
現在日本には約9,510駅あり、その全てにホームドアを設置するとなると…
全国の駅数(9,510駅)×ホームドア設置費(約15億円)=14兆2,650億円
つまり日本でのホームドアの市場規模は単純計算14兆円規模になります!
これだけ巨額の市場規模が期待できるのですから、「ホームドア関連銘柄」が投資家から注目されるのは当然ですね。
ホームドア関連銘柄
ホームドアに関わる企業には【6501】日立製作所や【6503】三菱電機【7012】川崎重工業といった、日本の大手重工企業だけでなく、従来のものより軽く低コストで工期短縮が図れる「スマートホームドア」に新たに関わる企業も見受けられるようになりました。
元々ホームドア関連銘柄は数が少ないこともありますが、3月6日の大引け後に発表があった「JR東日本のホームドア増設」が材料視された時は、殆どの関連銘柄が株価を上げています。
※2018年4月10日時点
【1835】東鉄工業
事業概要:JR東日本関連の工事がメイン。
株価指標:RSI/36.364 やや売りが優勢
【5406】神戸製鋼所
事業概要:鉄鋼・アルミ・銅関連事業がメイン。
株価指標:RSI/58.289 やや買いが優勢
【6268】ナブテスコ
事業概要:産業ロボット用精密減速機が世界トップシェア。
株価指標:RSI/29.63 売られ過ぎ感
【6424】高見沢サイバネティックス
事業概要:安全性、低コスト、拡張性を重視したホームドアの技術を持っている。
株価指標:RSI/36.474 やや売りが優勢
【6501】日立製作所
事業概要:総合電機及び重電のトップ事業。安定性と耐久性を重視したホームドアの製作。
株価指標:RSI/46.875 売買均衡
【6503】三菱電機
事業概要:総合電機の大手事業。ホームドアの試作機を導入済み。
株価指標:RSI/46.709 売買均衡
【6741】日本信号
事業概要:信号機最大手。鉄道と交通で高いシェアを持つ。
株価指標:RSI/49.162 売買均衡
【6742】京三製作所
事業概要:信号機大手の一角。交通信号機、鉄道信号システムの製品がメイン。
株価指標:RSI/52.74 売買均衡
【7012】川崎重工業
事業概要:大型2輪や航空機、鉄道車両といった輸送機器の製造がメイン。
株価指標:RSI/42.069 やや売りが優勢
投資をするなら短期ではなく長期目線で
ホームドア関連のテーマ性は、最低でもJR東日本が計画しているホームドア増設計画完了予定の2032年まで続くと見て問題は無いでしょう。
当然その間にもまた別の材料が出る可能性はあります。
そのため、ホームドア関連銘柄に投資をするなら「短期目線」ではなく「長期目線」での投資がおすすめです。
また、2020年東京オリンピックが近づいてきた今、ホームドア関連銘柄には投資家の関心が集まり易い状態にあります。
【6424】高見沢サイバネティックスの様に、急騰後の高値を掴んでしまい、そのまま塩漬け何てことも十分に考えられます。
材料が発表され株価が急騰した場合は焦って投資をせず、ある程度落ち着きを見せた後に押し目を狙っても遅くはありません。
最後に…
推定市場規模は日本だけでも14兆円と、非常に期待値の高いテーマ性を持つ「ホームドア関連」
一時の値動きに干渉されない、長期にわたって投資ができるテーマであるため、初心者の方でも比較的安心して投資できます。
関連する銘柄もさして多くは無いので、選ぶのにも大して困らないかと思います。
今後も「ホームドア関連」に注目です!